アンティーク ヴィクトリアン ジェットピアス



イギリスのヴィクトリアンジュエリーには欠かせないジェット。

ジェットとは樹木の幹が数千万年に渡って化石化したもので、オーガニックなジェムストーンの一種です。


ジェットは、軽く独特のテクスチャーが、ジュエリーとしても比較的加工しやすいマテリアル。

柔らかくユニフォームな性質を持つことから、理想のシェイプにカットしたりカーヴィングすることが容易く、またマットにも艶のあるポリッシュされたフィニッシュに仕上げることも可能です。


その格調高い漆黒のブラックが特徴的で、磨き込むことによって引き出される美しい艶のあるラスターは、宝石としてのジェットの価値を高めるものです。



ジェットの主要な産地として最も有名なのが、イギリスのウィットビー。

1億8000年前の樹木が化石化したウィットビージェットは、最もクオリティの高いジェットとしても知られています。


このウィットビージェットがヴィクトリアン中期には、過去にない流行をもたらします。

それはヴィクトリア女王が、1861年の夫アルバート公の死によって深い喪に服したことがきっかけでした。


ジェットは、故人を追悼するために身につけられるモーニングジュエリーとして用いられ、1861年からヴィクトリア期の末まで、ヴィクトリア女王自らウィットビージェットのジュエリーを身に付け、市民にも同様の着用を言い渡したのです。


その後も1920年代頃までジェットの流行は続き、アールデコのフラッパー時代には、ジェットのビーズを用いたロングネックレスも人気を博しました。


今では以前のように豊富なジェットはほとんど産出されることはなく、アンティークなジェットジュエリーは年々価値を高めています。


モーニングジュエリーとしてだけでなく、ファッションジュエリーとしても新鮮で評価されているジェットジュエリー。

現代のファッションとともに楽しんでいただける、ユニークな宝石です。





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